ローコード開発は製造業DX実現に貢献するのか(その1)
PLM導入工数増大、サービス開始の遅れ・・・ローコード開発が救う?
「ローコード開発」が注目されています。この不確実性の時代において、システムの導入、変更、追加を短期間、高品質で行うことが、PLMの分野でも求められています。
CIMdataの社長兼CEOであるPeter Bilello氏も次のように述べています。「ビジネスプロセスは迅速かつ頻繁に変化するものであり、それはサポートシステムの能力などお構いなしにおこるものです。組織にとっては、必要なときに調整、適応、採用できるような戦略を実行することが非常に重要です」
最近注目されている「ローコード開発プラットフォーム」はPLMの分野においてもこの要求を満たす有効な手段となるのでしょうか。
ローコード開発プラットフォームとは
Wikipediaによれば「ローコード開発プラットフォーム (英: low-code development platform, LCDP) (ローコードとも言う)は、従来の手書きのコンピュータ・プログラミングの代わりに、グラフィカル・ユーザ・インタフェースと設定を通じてアプリケーション・ソフトウェアを作成するために使用される開発環境を提供するソフトウェアである。ローコードモデルにより、様々な経験レベルの開発者が、モデル駆動型ロジックと組み合わせたビジュアル・ユーザ・インタフェースを使用してアプリケーションを作成することが可能になる。このようなプラットフォームでは、完全に動作するアプリケーションを作成することもできるし、特定の状況のために追加のコーディングが必要となる場合もある。ローコード開発プラットフォームは、従来の手作業によるコーディングの量を減らし、ビジネス・アプリケーションの提供を加速する。共通の利点は、正式なプログラミングスキルを持つ人だけでなく、幅広い人々がアプリケーションの開発に貢献できるということである」とされています。
1990年代からすでに第4世代プログラミング言語等同じような考え方はありましたが、最新のローコードプラットフォームでは、インフラストラクチャに依存しないオンラインカスタマイズツールを使用し、クラウド対応のアプリケーションデプロイメントを加速し、オープン性とシンプルさを向上させ、アクセシビリティ、アジャイル思考、実行を向上させ、アプリケーションとアプリケーション間の統合範囲を拡大する、といった特徴がみられます。
ビジネス部門のニーズの高まりなどにより、ここへ来て新たなローコードプラットフォオームの適用が大きな流れになっています。PLMの分野でも重要な要素として脚光を浴びており、多くのベンダーがこのソリューションに力を入れています。
当サイトではArasとSiemensの最近の動向について、それぞれ次回以降にまとめます。
(ローコード開発は製造業DX実現に貢献するのか その2に続く)