世界経済フォーラム「2020年の新興技術トップ10」
例えば以下の技術をご存じでしょうか
- 空間コンピューティングにより、日常生活のすべての場面でバーチャルツインの適用が進みます
- マイクロニードルデバイスは、サービスの行き届いていない地域での検査と治療の実施を可能にし、ウィルス感染のリスクを減らすことができます。
- 治療の診断または計画に必要な人体に対する危険な処置の代わりに仮想臓器を使用できます
- 間もなくスマートフォンを使用して、呼吸障害、うつ病、パーキンソン病、アルツハイマー病、自閉症などの症状をスクリーニングできるようになります。
- 飛行機の電気エンジンは、直接的な炭素排出を排除するだけでなく、燃料費を最大90%、メンテナンスを最大50%、騒音を約70%削減することができました。
- ゲノムを書けるようになれば、医師はすべてではないにせよ、従来避けることができなかった多くの遺伝病を治すことができるようになるでしょう。
世界経済フォーラムは2020年11月、新たなレポート「2020年の新興技術トップ10」を発表しました。
このレポートは毎年出版されているもので、世界の専門家を集めて、業界や社会を大きく変革する可能性のある新しいテクノロジーについてビジネスリーダーをはじめとする一般の人々に向けて紹介しています。
サイエンティフィック・アメリカン誌と世界経済フォーラムによって招集された専門家のグループは75以上の候補をふるいにかけました。今後3~5年以内に社会や経済の進歩に対して大きなインパクトを与える可能性がありかつ新規性のある技術(現在は広く使われていないもの)がその中から10件選ばれています。
世界的に重要な課題はたくさんありますが、2020年の現在、健康と気候変動の課題ほど差し迫ったものはありません。今年選定されたテクノロジーの大部分がこれら2つの課題の解決策を提供していることは当然かもしれません。
医療分野では、スマートデバイスを使ってパーキンソン病やアルツハイマー病を早期に診断したり、本物の臓器の代わりにバーチャル臓器を作って診断したり、ウィルスのような大量の遺伝子をデジタル化して物理的に再現したり操作したりするなど、病気の診断や治療をより正確かつ効率的に行うための分野で大きな進歩が見られています。マイクロニードルと呼ばれる医療機器の進歩は、ワクチンの世界的な普及と病気の感染リスクの減少を約束します。
気候変動に関しては、太陽のエネルギーを利用して廃炭酸ガスを価値のある物質に転換し、二酸化炭素排出量の少ないセメントを製造したり、化石燃料のエネルギーを使わずに余剰電力を利用して水素を製造したりと、地球規模での二酸化炭素排出量を削減するための技術的な進歩を目の当たりにしてきました。さらに、航空業界では、二酸化炭素排出量と燃料費を大幅に削減する電気エンジンの使用を可能にする重要なステップを踏んでいます。
最後に、多くの産業や私たちの日常生活を変えることを約束するデジタル技術のエキサイティングな発展がありました。拡張現実やバーチャルリアリティはすでに職場や日常生活の中で活用され始めていますが、空間コンピューティングはこれらの機能をさらに一歩進め、クラウドを介して接続された物理的なオブジェクトをデジタル化し、スマートデバイスを通じて物理的な世界に影響を与えることができるようになります。さらに、新しいタイプのセンサー(量子センサー)は、火山活動や地震の早期警報システムを受信したり、脳の活動をリアルタイムでモニタリングしたりと、様々なアプリケーションを可能にしています。
以下がトップ10のリストです。
- 無痛注射と検査のためのマイクロニードル
- 太陽光による化学
- バーチャル患者
- 空間コンピューティング
- デジタル医療
- 電気飛行機
- 低炭素セメント
- 量子センシング
- グリーン水素
- 全ゲノム合成