アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、AIを活用して予知保全を可能にするシステムを安価に提供
Amazon Web Services(AWS)は2020年12月1日、Amazon Monitronを発表しました。
Amazon Monitronは、機械学習(ML)を使用して産業機械の異常な動作を検出するエンドツーエンドのシステムです。これによりユーザー企業は、予知保全を実現し、計画外のダウンタイムを削減することができます。
Amazon Monitronには、
- 機器の振動や温度データを取得するセンサー (Amazon Monitron Sensors)
- AWSにデータを安全に転送するためのゲートウェイデバイス (Amazon Monitron Gateway)
- 機械学習を利用してデータを分析して異常な機械パターンを検出するMonitronサービス (Amazon Monitron ML-based service)
- デバイスを設定して動作挙動のレポートや機械の故障の可能性を知らせるアラートを受け取るためのコンパニオンモバイルアプリ (Monitron mobile app)
が含まれています。
センサーの設置と、データ接続、ストレージ、分析、およびアラートに必要なインフラストラクチャは、予知保全を可能にするための基本的な要素です。しかし、これを機能させるために、企業はこれまで、これらの要素をゼロから組み合わせて複雑なソリューションを実現するために、熟練技術者とデータサイエンティストを必要としてきました。
Amazon Monitron には、機器から振動と温度のデータを取得するセンサー、AWS にデータを安全に転送するゲートウェイデバイス、機械学習を使用して機械の異常パターンのデータを分析する Amazon Monitron サービス、およびデバイスをセットアップし、機械の動作についてのレポートと機械の潜在的な障害についてのアラートを受け取るためのコンパニオンモバイルアプリが含まれています。
開発作業や ML の経験がなくても、機器の正常性のモニタリングを数分で開始でき、Amazon フルフィルメントセンターで機器をモニタリングするために使用されているのと同じテクノロジーを使用した予知保全が可能になります。
Amazon Monitronは、さまざまな回転機器の潜在的な障害を監視および検出できます。
モーター、ギアボックス、ポンプ、ファン、ベアリング、コンプレッサー等に適用可能です。
現時点(2020.12)でAmazon Monitronスターターキット、センサー、ゲートウェイは、米国、英国、およびEUで購入できます。
価格の例として、
「お客様がピアノの製造業者であり、Amazon Monitron を使用して、製造現場の集塵機を駆動する 5 個のモーターをモニタリングしたいとします。これを行うには、モーターごとに 1 個のセンサーを取り付けます。Amazon Monitron スターターキットを購入し、1 年間使用します。」
この場合、
Amazon Monitron スターターキット (5 個のセンサー、1 個のゲートウェイ) 715 USD (1回限り)
Amazon Monitron サービス 250 USD (1年当り)
合計 965 USD (初年度)
と安価です。
詳しくはAWSのサイトAmazon Monitron の料金をご参照ください。
このソリューションの特長をまとめると次の通りです。
- 費用対効果の高い機器のモニタリング
- 短期間で機器の監視を開始
- マシンの問題が発生する前に検出
- 最高水準のデータセキュリティ
- 継続的な改善により精度を向上
ユーザーの例として以下が挙げられています。
- Fender
- GE Gas Power
- RS Components
- Amazon fulfillment center
Amazon fulfillment centerの事例ビデオも公開されています。
またAmazon Monitronのほかにも
- すでに機器に既存のセンサーを持っている顧客向けに、センサーデータをAWSに送信して機械学習モデルを構築し、機器の異常動作を検知するための予測値を返すサービス「Amazon Lookout for Equipment」
- コンピュータービジョン(CV)を使用して視覚表現の欠陥や異常を発見する機械学習(ML)サービス「Amazon Lookout for Vision」
- 各企業が自社設置のカメラにコンピュータービジョン(CV)を導入して、高精度かつ低レイテンシでローカルに予測を行うことを可能にする機械学習アプライアンスおよびソフトウェア開発キット(SDK)「AWS Panorama」
も発表されています。