タイヤのセンサー情報とクラウドを活用してモビリティ運用や制御を最適化 -次世代モビリティ開発の重要な一要素に
タイヤは路面に接触する唯一のパートであり、安全性、快適性や経済性にも大きな影響があります。ここからのセンサーデータを活用することで、大きな効果を生むことが期待され、既に実際の活用も始まっています。
将来は自動車本体や道路情報とも連動することでより大きな価値を生むことが期待できます。
ブリヂストンの発表
株式会社ブリヂストンのグループ会社であるブリヂストンタイヤソリューションジャパン株式会社は、2020年12月7日より、日本国内のトラック・バス事業者様向けにタイヤの内圧を遠隔モニタリングするツール「Tirematics(タイヤマティクス)」を活用したデジタルソリューションサービスの提供を開始する、と発表しました。
「Tirematics」は、あらかじめホイールにセットされた専用の内圧警報装置(Tire Pressure Monitoring System)が内圧情報を定期的に計測し、異常があれば、運行管理者等へクラウドを通したモニタリングツールでアラートメールを届ける仕組みです。
これにより、タイヤ起因のトラブルを未然に防止し、車両稼働の最大化につなげると共に、タイヤメンテナンスに関する整備の軽労働化や経済性向上にも貢献します。これはCO2排出量の削減などの社会価値の創造にもつながります。
この「Tirematics」はすでに欧州やアジア大洋州地域などはサービス展開されていましたが、今回国内でも本格的に提供が開始されるものです。
タイヤの内圧を遠隔モニタリングするデジタルソリューションツール「Tirematics」を12月より国内で本格的に提供開始
TOYO TIREの発表
タイヤに装着したセンサーからのデータを活用する技術については、既に2月にTOYO TIREも発表を行っています。
TOYO TIRE株式会社は、WEB上で、「AI、デジタル技術を活用し、気候などによって変わる「走行中の路面情報」と摩耗や荷重といった「走行中のタイヤ状態情報」を検知し、リアルタイムで「走行中のタイヤパフォーマンス」を可視化するタイヤセンシング技術を開発した」と発表しています。
同社は、走行している路面の状態やタイヤの状態を把握するために、タイヤにセンサーを装着し、検知した諸情報を高度に演算処理することによって、果たすべきタイヤ性能(グリップ力)の限界値を導き出すセンシング技術を構築した、としています。
この情報を車両と連動させることによって、より精度の高い安定走行や危険回避といったドライブの実現につなげることが可能になります。
例えば 地図情報や天候情報、路面情報とも合わせて判断することで
- カーブでの速度や制動のコントロール、車間距離のコントロールなどを行うことができる、
- 適切なメインテナンスの実施
などが可能になるとしています
同社はこの技術を用いて、外部のさまざまな知見や技術との統合(オープンイノベーション)を進めていく、としています。
まとめ
このように、情報取得デバイスとしての機能を備えたタイヤから入手したデータを活用することで機能性、安全性、快適性、経済性を向上させることが可能になります。
自動車等の次世代モビリティ開発の一要素として、これらのデータ活用も組み入れることが必須の条件となるでしょう。