アマゾン ウェブ サービス(AWS)、機械学習を使用して予知保全を可能にするサービスを一般提供開始
2021年4月8日、アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、Amazon Lookout for Equipmentが一般のユーザーに利用可能になったことを発表しました。
Amazon Lookout for Equipment は、機械学習 (ML) を利用した産業機器モニタリングサービスです。これにより異常な機器の動作を検出して、計画外のダウンタイムを回避できます。
この専門知識を必要としない低価格のMLサービスを利用することで、ユーザーは費用に対して大きな効果を実現する可能性があります。
このサービスは2020年12月に発表されていました。
現在、米国東部 (バージニア北部)、欧州西部 (アイルランド)、およびアジアパシフィック (ソウル) で利用可能で、今後数か月以内に他のリージョンでも利用可能になる、とWEB上でアナウンスされています。
Amazon Monitronとの違いは
AWSは昨年12月にAmazon Monitronも発表しています。
こちらは回転機器に対応するセンサーデバイス、ゲートウェイデバイス、とこれらに対してMLを利用して異常を検出するサービス、アラートを受け取るモバイルアプリを組み合わせたものですが、今回提供開始されたAmazon Lookout for Equipmentはすでに各種のセンサーを持っている顧客向けにより柔軟なサービスを提供するものです。
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、AIを活用して予知保全を可能にするシステムを安価に提供
MLの予知保全への適用
予知保全により、機器の状態をモニタリングすることで、故障やダウンタイムを効果的な方法で回避することが可能になります。
Amazon Lookout for Equipment は、圧力、流量、回転数、温度、電力などのセンサーとシステムからのデータを分析し、データに基づいて機器に固有のモデルを自動的にトレーニングします。
独自の ML モデルを使用して、受信センサーデータをリアルタイムで分析し、機械障害につながる可能性のある早期警告の兆候を特定します。
検出されたアラートごとに、問題を示している特定のセンサーと、検出されたイベントへの影響の大きさを特定します。
Amazon Lookout for Equipment により、既存のセンサーからより多くの価値を得ることができ、またタイムリーな意思決定を行うための支援を受けて運用効率を向上させることができます。
料金は
料金は、取り込まれたデータの量、取り込まれたデータを使用してモデルをトレーニングするために使用された計算時間、およびモデルを使用して実行された推論の時間数に基づいて請求されます。Amazon Lookout for Equipment では、実際に使用した分に対してのみ料金が発生し、最低料金や前払いの義務はありません。
料金例としては
さまざまなコンポーネントを測定する 50 個のセンサーを備えた蒸気発生器を持つ発電所の場合、使用初年度の総費用として2,777USD(約30万円)としています。
計算条件などの詳細は こちら
使用開始時には無料枠もあるので、さらに安価にできる可能性もあります。
パートナー
ユーザーはAWS コンソールから直接利用できるほか、Siemens Energy、Hitachi Vantara、OSIsoft、などのサポートパートナーを通じて利用することも可能、としています。
日本でも利用開始時にはパートナーからのサポートが期待できるかもしれません。